セーラ姫の容体が芳しくないことは、既に国中の人々が知っていた。彼女が病に身を侵され始めたのは3日前からだった。今や顔色は蒼色を通り越して土気色に変貌しており、熱に浮かされていた数日間とは打って変わり、呼吸は浅く、ひゅうひゅうと喉が小さく空気の通る音を零していた。
ごぉん、ごぉん、と教会から鳴り響く鐘の音が、やたらと響いた。活気付いているはずの昼過ぎの時刻、国中は静まり返り、まるで葬式のようだった。レックはそんな国が忌々しくてたまらなかった。彼女はまだ死んでない、今に、元気になるのだ、と誰が聞いても空しく聴こえるようなことを、ずっと思っていた。今からそんな、どんよりと濁った空気を振りまいて、何のつもりだ、ふざけるな、そう叫びたかった。
主治医は試行錯誤を繰り返し、ついに匙を投げた。セーラの眠る寝台の隣に置いた医療器具などの棚に聴診器を置いて、黙って、退出していった。部屋の中には、いつの間にかレックと両親が残った。メイドも、宰相も、いつの間にか居ない。
なんだこれは。まるで今生の別れでもしろとでも言うつもりではないか。
レックはそう思いながら、瞼を閉じ、ひゅう、ひゅう、と呼吸を繰り返す妹を見た。柔らかな父譲りの金髪は、ほつれ、痛み、かつて風を孕んで靡いていたことさえ嘘かのようだった。
ふと、妹は瞼を開けた。それすらも渾身の力を入れているかのような、重い、ゆっくりとした動作だった。彼女はすぐ隣に立つ両親、そしてベッドの脇に座る兄を見た。元気であるということをなんとか伝えようと、彼女はなんとか笑った顔を作ろうとしたが、悲しいことにその顔はあっというまに歪み、ぼろぼろと涙を零した。それを見た母も、同じように泣いた。神さま、ルビス様・・・!と彼女は喘ぎ、夫の胸へと崩れ落ちた。その肩を支え、国王でさえ瞼を閉じた。もはや、彼らは本能的に悟った。娘が死の淵に立っているということを。もはや、これはどうしようもない事実だと。
レックは堪えた。涙を流すのは早い。最後まで諦めない、自分だけでも、諦めてなるものか、と。彼は気丈にも涙を流さなかった。ベッドの上に置かれた、少女のか弱い細い手首、そして力ない手を握った。
「にいさま・・・」
か細い声が小さく零れた。レックは身を乗り出し、妹の口元に顔を近づけた。せめて言うことを欠片たりとも逃さぬように、大きな声を出させないように、だ。セーラは途切れ途切れに呼吸をすると、ひねり出すように言った。声は涙によってひしゃげ、嗚咽のように溢れた。
「おとう、さま・・・・お、かあ・・・・・さま・・・・・・・・・・・・おねがい、が・・・・・・・」
返答が、咄嗟に出てこない。今声を上げたら、泣いてしまう、と思った。彼女のために泣かない、それだけが、今レックにできる唯一のことだった。何でも聞いてやる、と言う風に、レックは頷き、冷たい彼女の手を握る。彼女は涙で枕を濡らしながら、小さく泣いた。
「眠い、から・・・・・・おやすみの・・・・・・・・・キスを、・・・・・・して・・・くれる・・・・・?」
「-――――――――・・・・っ!!」
レックは咄嗟に出そうになった嗚咽を噛み殺し、妹の額に一度口付けをした。彼女の額はやけに熱く、脂汗でべたついていた。それさえ気にならない。ひゅうひゅう、と彼女の喉が鳴る。レックがそこから離れると、続いて父が、そして母がキスをした。幼い妹がいつも眠る前にする儀式のようで、それでもいつもよりゆっくりと、それは行なわれた。母がキスをすると、妹は瞼を閉じ、しばらく眠った。永遠のような時間も、いつの間にか過ぎて、ふと、まるで糸が途切れたかのように唐突に、妹の呼吸音は止まった。母の嗚咽の声に混ざり、いつの間にかレックも同じように泣いた。
彼自身でさえ気づかなかったが、その日、確実に、レックの世界は少しずつ綻びはじめていたのだ。
2009/12/24
ドランゴってどうして飛べないのかな、と唐突に彼女は言った。オレンジ色の瞳が注がれる先には、ドランゴの背に生えた小さな翼がある。塩漬けにされた乾し肉を湯で戻しながら、レックはさぁ、と一度呟く。
「でも、ドラゴンには皆翼が生えてるよな」
「翼があるってことはつまり飛ぶためじゃないの?」
「飛ぶ必要が無くなったから、退化したんじゃないか?」
「たいか」
「空を飛ばなくても十分強いし、地上で餌をとるのに申し分なかった、とか」
「ふーん」
「バトルアックスを持つのに邪魔だったから、とか」
「ふーむ」
バーバラはレックの言葉に中途半端に頷いて、ドランゴの翼をまじまじと観察する。ドランゴは奇異の眼差しにどうも座りが悪くなったのか、一度小山のような身を捩ったが、結局やめて、眠って誤魔化すことにしたらしい。
「ドランゴ、ドランゴは空に還りたくないの」
バーバラは一度そう、小さく聞いたが、ドランゴが既に起きる気が無いのを見て取ると、黙って目の前のジャガイモの皮を剥くことに専念した。
ドランゴの瞼の向こうで、焚き火が小さな火花を吐いている。
ドランゴは不思議な夢を見た。緩やかな稜線を描く丘陵に立っている。丘の端は空と混ざっていて、不可思議な青緑色の平野がどこまでも続いていた。花がタネを飛ばすために精製した綿毛が、風に乗って延々と飛んでくる。やたらと静かだ。ドラゴンの耳でさえ掬い取れない、柔らかな風が吹いている。美しい場所だった。
ふと、向こうから少女が走ってやってきた。橙色の髪をしていたから、ドランゴはそれをバーバラだと思った。しかし、少女はドランゴが知っているよりも酷く幼く、バーバラの身長の半分ほどしかないと気づいた。
彼女は草原の色に紛れているドランゴを素早く見つけると、ぱっと笑ってまっすぐに駈けてきた。彼女は背中に羽が生えていた。バーバラは人ではなかったのか、とドランゴは思った。
「こんにちは」
挨拶をされても、ドランゴは返せない。威嚇しないように、なるだけ優しく、喉を鳴らした。子供は嬉しそうに笑うと、ここでなにをしているの、と聞いた。
「あたしはね、ここで空を飛ぶ練習をしているのよ」
小さな背中に生えた羽は、意思を持っているかのようにぱたぱたと動いた。ドランゴはそれにびっくりしながら、それの匂いを嗅いだ。別に変なにおいはしない。少女の髪から香る花のような匂いだった。
「カルベおじいちゃんとおばあちゃんが作ってくれたの。いつかちゃんと飛べるようになったら、遠いどこかへ行きたくて」
だって、魔法の練習、もう飽きちゃったんだもの。
そう言って、少女はむくれた。偉大なる才能を引き継いだ魔女は、既にこの頃から才能を開花させていたらしい。ドランゴは喉を鳴らした。
「昨日ね、少し飛べたのよ。まだこの国からは出られないけど」
知ってる?世界ってすっごく広いの、と彼女は言った。ドランゴは知っている。かつて暗く湿った大地の底で、人の肉を喰い繁殖を繰り返していた頃から、外に出たあの日のことを。その日を手にいれたのは、未来のバーバラがいてこそだったのだと。
幼い娘は丘陵を小さな足で走り回り、たまに跳び、羽根をせいいっぱい動かして軽やかに飛んだ。その距離が少しずつ開いていく。ドランゴはその背にのしのしと近寄り、はぁはぁと息を荒くして不思議そうに見上げてくるバーバラを見下ろした。
「なぁに、どうしたの?」
彼女が小首を傾げるのを見やりながら、ドランゴは身を寄せ、その背に口を寄せた。そのまま、服についている羽を食み、引っ張る。ぶちぶちっ、と嫌な音を立てて、バーバラの背から羽がもがれた。これでいい。彼女が遠くに行ってしまったら、彼女はレック達と会えなくなってしまう。ドランゴは達成感でいっぱいだった。彼女だって喜ぶだろう、と思った。
「きゃああああああああああうっうそおおおおおおおおおおお!!」
絶叫で目が覚めた。ふと見れば、どうやらバーバラは自分の腹に凭れていたらしい。仄かに温かかった。彼女は地面に座り込みながら、愕然と空を見上げている。向かいで眠ってしまったバーバラの分まで皮を剥いていたレックが、目を丸くしてバーバラを見ていた。
「・・・・なんだ?どうした?変な夢でも見たか?」
「ドランゴがっ!ドランゴがあたしの羽を毟った!!」
バーバラは半狂乱状態だった。信じられない!といった風にドランゴを指差し、わあわあと叫ぶ。うっ、うそだぁ!と嘆く。ドランゴはバーバラのことを思ってやったつもりだったのに、そんなに悲しまれると悪いことをやってしまった気分になった。ぱかん、と軽い音を立てて、ドランゴの背後、つまりバーバラの背後から、ハッサンがバーバラの頭を軽く叩く。うるせぇぞ、とハッサンが注意するも、バーバラのショックはハッサンに叩かれたことより、夢のことの方が重大だったらしい。
「だってドランゴがっ!!」
「夢のことなんだからそうぎゃあぎゃあ騒ぐなよ。それにお前の夢の中のことだろ?別に本物のドランゴがなんかしたって訳じゃねぇだろうが」
しかし、実を言うとドランゴは自分がやったことを直接言い当てられている。そんなことは伝えられないので、渋々バーバラは諦め、ごめんねドランゴ、と謝った。流石に毟ったのはやりすぎだっただろうか、と思ってドランゴも反省し、申し訳無さそうに鳴いた。なんでドランゴが謝るんだよ、とレックは笑ったが、その理由はドランゴだけが知っていればいい。
2009/12/30
海に行きたいわ、とマリンスライムのレディがごねたので、皆が寝入ったのを確認してからレックは彼女を抱えて馬車から降りた。ざざ、ざざ、と潮騒の音が遠くで鳴っている。彼女は小さく欠伸をしながら、早く、とレックを急かした。
砂浜まで降りれば、彼女は降ろして、とレックに言った。言われた通りに砂浜に下ろせば、彼女はずりずりと身を捩りながら、海へと向かった。彼女の通った後に、砂が少しだけへこんで道を作った。轍のようだ、とレックは思う。
彼女は潮のぎりぎり届く場所で止まり、押し寄せる海に浸かった。塩水を飲み込み懐かしい海の味に酔った。ふらふらと動く巻貝を見て、レックはその場でブーツを脱ぎ、足に巻いていた包帯を解き、裸足になる。彼女を少し置いて、砂浜を歩いた。
足の指と指の間に砂が入りこみ、遠出した海水がそれを流す。それを何度も繰り返す。歩いていた道はすぐに海の流れで消え去った。それを見ていると少し笑えた。あっけない軌跡の終わり方。すべての生き物に共通している。
ふと、波打ち際で眠るマリンスライムを見つけた。たまに貝殻の中まで入ってくる海水でぶくぶくといびきが立った。周りのマリンスライムが迷惑しているように顔を顰めて、その一匹を見ていた。
その近くまで歩み寄って見下ろしてきているレックに気づいて、数匹がレックを見上げ、次に周りのマリンスライム達と、どうする?と目で会話した。レックはそれを少し笑って見下ろし、しっ、と指を一本立てて彼らを制した。いまだ眠るマリンスライムの一匹をそっと抱え、少し離れたところまで持っていく。干からびないように丁度近くに生えている背の低い木の下に置いた。そろそろとそれを追いかけてきていたマリンスライム達も、くるくると丸い目を不思議そうにレックへ注ぎ、ぷくぷくと泡を吐いた。
「おやすみ」
レックがそう言うと、彼らは黙ってその木の下に一塊になって集まり、じっとレックを見たかと思うと、すぐに巻貝のなかに身を隠してしまった。レックもそれ以上は何も言わず、静かにその場を離れ、一人遊ぶ仲間の元へと戻った。
彼女の元へと戻ってみれば、彼女はすでにレックの少し後方でじっと動かず止まっていた。じぃっ、とこちらを見てくる視線にふっと微笑み、レックは聞いた。
「どうした?そんな怖い顔して」
「怖い顔なんてしてないわ。・・・ねぇどうしてあんなことしたの?」
昼間に会ったら倒すくせに、と彼女の瞳はそれを如実に語っている。レックは彼女を優しく抱え、ブーツと包帯を空いた手に引っ掛けて拾った。ぺたぺたと細い道へと向かいながら、肩を竦めて言う。
「どうしてって、マリリンだってハッサンのいびきにはこりごりしているだろ?同族意識って奴さ」
「レック、貴方って変わってるわ・・・でも、そうね、いびきは殺されることより辛く感じることもあるわね」
「拷問のようなものじゃないか?」
レックがにっと笑うと、マリリンはふふふ、と笑った。どうやら納得してもらえたようだ、とレックは思った。ただ、本当は、いつだって生き物の命を奪うのが嫌だから、なんてことをもらしてしまえば、きっと彼女はかんかんに怒って、ならこんな旅やめなさいな、と怒るに決まってる。もう自分の決めたことを歪めたくないから、彼女にそれを言うのはやめた。悪いスライムだと自分を詰る彼女に、これ以上心を痛めるような口実を与えたくなかった。
2010/01/02
しゃっ、しゃっ、と砥石でナイフを研ぐ音が室内に響いていた。ごろりとベッドの上に寝転がり、天井の木目を目で追いかけていたレックは、しばらくその音を黙って聞いていたが、ふと気になって身を起こした。向かいのテーブルの上に広げられたミレーユの生活用品が丁寧に手入れされて並べられていた。占い用の水晶が、その中でも特別に大切そうに、藍色の布に包まれて置かれている。
「ミレーユは旅慣れてるよな」
「・・・そうかしら」
レックの呟きに顔を上げて、ミレーユは透明な蒼色を湛えた瞳を向かいに座る青年へ向けた。砥石で磨かれたナイフが白銀色に光沢を放っている。レックはそれがつい一昨日林檎を剥くのに使われたのを見ていたが、それは何の躊躇いも無く昼間に襲ってきた魔物の頸椎を刺し穿ったものだ。旅をするには物があまりあると不便だ。動くのに邪魔になる上、管理も難しくなる、とミレーユはよく言って、旅の準備をするレックをたしなめる。
レックが「魔物を倒す道具と食事に使う道具は流石に分けたい」というと、ミレーユは少し楽しそうに笑って、「育ちの違いね」と言う。レックは農村生まれだったのでミレーユとはあまり大した差はないと思ったが、良く考えればミレーユはあの占いに卓越した老婆と二人暮しだったのだ。少し逞しいのかもしれない、と思う。以前は躊躇いなくイモリを焼いたものに噛み付いていたし。
「あの、グランマーズ・・・の所に居た前とか、旅、してたのか」
「・・・そうね。ええ。してたわ。仲間とね」
「へぇ」
秘密主義のミレーユだが、何故かこのときはつっかえながらも答えてくれた。それがレックには嬉しい。ミレーユの考えに自分の思考が追いつかないのは仕方がないが、少しぐらい考えさせる余裕を持たせてくれるかのような会話をしてくれると、認めてくれたのだろうか、と思う。別に認める、認めないの話ではないが、ミレーユがレックに対して距離を置いているような気がして、レックはそれが嫌だった。
「どんな人達と旅してたんだ?」
「一人は私とそう大して変わらない、元町民よ。大工の家の出でね、優しいけれど見た目が怖くて、たまにそのギャップに驚くことがあったわ。凄く繊細なところもあるし」
「ふぅん・・・ハッサンとちょっと似てる?」
「あら、分かるの」
レックは肩を竦めて、いや、と首を振る。
「優しいけど見た目が怖い、ってのが同じかな、と思って。でも繊細じゃないよな」
「そうね。ハッサンはね」
ミレーユは少し含みをもった笑いを零す。レックが不思議そうに首を傾げると、それを無視して「もう一人はね」と言葉を続けた。
「育ちの良い青年だったわ。私よりちょっと年下で、でもとても、素晴らしい人だった。誇りがあって、思いやりがあって、彼がいるだけでどこにでも行ける、って信じてしまうぐらい、格好良い人よ」
「へぇ、会ってみたいな。ミレーユにそこまで言わせるなんて」
「ええ。私ももう一度会いたい。でも、しばらくは無理ね。遠いところに行ってしまったらしいし。彼はね、レックに似てたわ」
ミレーユの思いがけない言葉に、レックはきょとん、と目を見開いた。似ている、と唇だけでその言葉をなぞってから、レックは小さく笑った。
「褒めてもらってるんだよな?」
「勿論。貴方も私に勇気をくれるわ。たまに振り回された気分にもなるけど、堂々としていて、とても格好良い」
「・・・照れるな」
「ふふふ」
ミレーユはそっぽを向いて頭をかくレックを眩しそうに見つめ、そっと笑みを零した。
「彼は私の希望の光だった。ああいう人がいっぱい居たら、って本当に思ったこともある。でも、彼にはそれが、重みになっていたのね」
「重み、」
「プレッシャーだったのよ。彼は、凄く優しいから、その期待に答えようとした。でも彼はまだ若くて、それを受け止められるだけの強さが、まだ完成してなかった。だから、溢れて、零れた。そのせいで彼は、酷い目にあってね」
遠いところへ行ったの。そう言ってミレーユは区切った。その男を回想するというよりは、自分を責めるような声音で、レックは眉間に皺を寄せる。
「死んだわけじゃないんだろ」
「ええ。きっと、生きてるわね。強い人だもの」
「じゃあ、大丈夫だよ。ミレーユの信じた強い人だろ?」
ミレーユがレックを見れば、彼はにっと力強く笑ってミレーユを勇気付ける。
「ミレーユの信じた人が、弱いわけないだろ。だからすぐに立ち直って、もう一度ミレーユに会いに来るよ」
「・・・・・・・・・・そうね」
ミレーユは本当に嬉しそうに、心の底から喜ぶように笑った。邪気のない少女のような笑顔でレックに向けて微笑む。そんなミレーユを満足そうに見つめ、レックもほころんだ。と、困ったように肩を竦めて、「可愛い笑顔はいいんだけど」と引き攣った声を上げる。
「とりあえず、ナイフを置いて欲しかったかな」
「あら」
可愛らしく微笑むミレーユと研ぎたての鋭いナイフが妙にマッチしてどうにも怖ろしい絵にしかならない、とレックが言えば、ミレーユは今度こそ声を上げて笑った。たまにはそんなミレーユもいいな、とレックは内心呟きながら、いつか出会うであろうミレーユの信じた男を夢想して笑った。
2010/01/25