■醜い恋心を食い尽くせない哀れな大人を笑う
 がちゃん、と音を立ててロックが外れた。
 鼻歌交じりに扉を開けて、靴を脱いできちんと揃える。
 近頃こちらに来ていないから溜まってるんじゃないかなぁあははとか思いつつ、真っ直ぐあいつの部屋へと向かった。
 暗い廊下を歩いて立ち止まる。深呼吸をしてドアノブに手を掛けた。

 「阿呆か離せクソガキっ!」

 愛するダーリンの悲鳴がドア越しに耳に届いた。扉を蹴破る。
 ベッドに押し倒された式岸軋騎と、その上に両手を拘束した状態で圧し掛かっている銀髪の可愛い少年が目の前に現れた。
 二人ともなんでお前がここに居るんだとでも言いたそうな目でこっちを見ていた。
 のもつかの間。

 少年は不適に可愛く凶悪にぺろりと舌なめずりをしたかと思うと、驚いて固まっている式岸の首の付け根に顔を寄せた。
 「ひっ」
 小さい悲鳴。
 あ、この餓鬼壊す。
 俺は心の中に誓った。



 大人の対応で真摯に少年を追い払うと、部屋から式岸は消えていた。
 何処に行ったのかと探すと、洗面所の鏡の前で苦虫を噛み潰したかのような顔をして少年のつけた赤い鬱血した後をさすっていた。
 嫌がっている様子に少しだけ気分がまぎれる。
 いや、まぎれるって言っても、別に苛々してる訳じゃないぜ。俺大人だから!
 とりあえず後ろから腰に手を回してうなじを舐め上げてやった。二回目の悲鳴。
 即座に肘鉄が飛んできたが、かわして式岸の息子を握ってやった。
 「ぎゃあああああ阿呆かどいつもこいつも!一人で発情してろ!」
 「連れないな式岸。あんな子供に押し倒されるなんてお前も結構乗り気だったんじゃないのか?」
 ぴたりと式岸の動きが止まった。腰を固定しているので上半身を捩って俺と目を合わせる。
 「・・・・・・・・お前、怒ってないか?」
 「怒る?誰がだよ。何のために?」
 式岸は一度だけ口を開いたけれど、結局閉じた。何か言いたげだったが俺はとりあえずシャツの中に手を入れて突起を探す。
 「ばっ・・・・止めろ!」
 式岸の手が俺の肩を押したが、それに逆らって俺は勃起した己をズボン越しに式岸のケツに押し当てる。びくりと体を強張らせて顔を真っ赤にして俺を変なものを見るかのように凝視した。力が弱まったのを良い事にすばやくベルトを外してズボンを引き下ろし、半勃ちになった式岸を自由にしてやる。
 「ひっ・・・・・・お、お前っ!」
 「黙ってろ。俺は今自分でも良く分からんが虫の居所が悪い」
 「なん・・・・・・・っぁあ!」
 乳首を抓ったり弾いたり指で遊びながら式岸の息子を擦ってやる。
 絶えられないのか式岸が洗面台の縁に手を掛けて荒く息を吐いた。
 「っう・・・・ああ、はぁっ」
 「おい前を見ろよ。乳首とチンコ弄られて悦がってる自分が見れるぜ。良い格好だなおい」
 「いや、だっ・・・・やめっ・・・・・・・・!!ふぁ、あぁあ!」
 目の前にある腰の所から頭一個分上に余裕があるガラスにバックから苛められて喘ぐ式岸と、後ろで式岸の背中を舐める自分が映っていた。
 「てめぇ、何怒ってん、ぅ・・・・・ぅあ!」
 「だから、何に怒ってるんだよ」
 「・・・・・・・・・・・・・・何見て、いらついたんだ・・・?」
 手を休めてやると洗面台に体重を掛けて荒く息を吐く式岸の声が響いた。
 何を見て・・・・?
 「来たら、」
 「来たら?」
 「あの少年がお前を押し倒してて」
 「・・・・・・・・で?」
 「何をそんな、無防備に、他人に触らせてるのか、って・・・・・・・・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・・・・・・・・」
 「対抗意識?」
 「人はそれを嫉妬と呼ぶ」
 がんっ、と拳が飛んできた。脳天直撃。かなりキた。
 「何をいきなり・・・・・・・・」
 「自分の胸に聞け」
 式岸は縁に掴まってずるずると崩れ落ちる。
 嫉妬。
 「俺嫉妬してたんだ」
 「知るか」
 「嫉妬?」
 「だから知らねぇっつってんだろぉが!!」
 成る程。なんだかすっきりした。
 「久しぶり」
 「今更か」
 「他にキスマークつけられてない?」
 「付けられてない」
 「そう。じゃあ点検するか」
 「はい?」
 にこりと笑って俺は式岸の首についてある先程少年がつけた赤い花弁をべろりと舐めた。



 



 「あっっ・・・・・・はぁ、あ・・・・・っの、やめっ、・・・・・っ」
 洗面台に座らせて足を開かせる。ずるずると尻が下がっていくので足を肩に乗せて秘部を目の前に晒させる。
 隅々まで舌で舐め取っていく。偶に式岸の息子のすぐ近くにマークを付ける。
 俺のだから少年にはあげないよ、と、見せ付ける。
 ローションをたっぷりとつけたアナルにずちゃずちゃと指を突っ込みながら。
 「っふぁ・・・・・・・・ぁああ・・・」
 「式岸さん結構真面目ですねぇ。俺にゾッコンなのかな?前以来何もしてないのかな?」
 「っの・・・・・お前、死・・・・・っああああっ、やっ、そこは、ひ」
 前立腺をぐりぐりと弄くってやると甲高い悲鳴が上がった。ちゅっと上を向いている式岸にキスをしてやり抱え下ろす。
 「良い子だねぇ。俺は随分愛されてるみたいだ」
 「ほんっ・・・お前、死ね、よ・・・・・・っはぁ、ぁ・・・」
 指を引き抜いてやるとびくりと式岸の肩が跳ねた。
 少年がキスをした所に二重に強くつけてやる。今まで式岸を犯した映像送りつけてやろうかな、とか思った。
 「鏡に手ぇついて、尻をこっちに向けて」
 「っく・・・・・・こ、殺す・・・・」
 そう言いながらもおずおずと鏡に手をついて背中と尻をこっちに向けた。差し出してくることは無いけれど。
 ぽたぽたと式岸の息子から先走りが床に落ちた。ローションで慣らした孔にぐに、と己の怒張した息子の先を入れてみると、びくびくと式岸の体が震えた。
 愛しくてくすくすと笑えてくる。
 「っん、・・・・・ぅうう」
 「全部入れて欲しい?」
 「・・・・・・・っく・・・」
 「言わないと入れてあげないぜ」
 ちゅっとうなじにキスをしてやると鏡に映った真っ赤な式岸の首が縦に揺れた。
 ずっ、と一気に突き入れた。甲高い悲鳴が上がる。
 「ぁあああああああっ!ああっ、ひっ・・・やああああああっ!」
 「可愛いなぁ・・・・本当、獣な弟と一緒の屋根の下で暮らさせるなんて肝が冷えるぜ」
 「ひぁあああっ、ああん、ぁあああ、はっ、ひぃっ、いっ」
 がくがくと式岸の足が震える。体重がこっちに寄ってより深く刺さった。
 「あ、ひっぃ・・・・・っくあああああ、んっ、んっ」
 「俺悪くないよ」
 「だまっ、あっ、・・・・・あ、はっ」
 小さく背中にキスを落としていく。
 「やばい。本当気持ち良い。中出しします」
 一応宣言しておいた。がばりと鏡ごしに式岸が顔を上げる。何か知らんが泣いていた。それがいけない。
 「ばっ、ちょっ、中は、なっ、ぁあああああああああああっ」
 びゅるびゅると精液が吐き出された。とりあえず何も言えないまま式岸は目の前が暗くなった。






 「俺嫉妬したの始めてっぽいぜ」
 「知るかぁぁぁぁぁ!!!死ね!本当死んでくれ!頼む!世の中のっていうか主に俺の平穏のために!」
 「何言ってんだよ俺が居なくなったらお前、誰に突っ込まれるんだ?弟か?」
 「何で突っ込まれるの前提なんだよ訳わかんねぇよ殺すぞ!」
 「誰かにやられる位なら俺がやってやる!」
 「てめぇどこにそんな元気があるんだよ!」
 


 まぁ、そんなこんなで不器用な変態の日常は過ぎていくわけですね。
2006/7・25


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